彼はテンションを上げるために家でヴィデオを観て来たと言う。
格闘シーンの凄さ、相手にトドメを刺す時のリーの表情、その悲しみ。
彼は椅子から立ち上がってポーズをとり(靴まで脱いだ)、それらを情感たっぷりに演じ、語る。
それから、いかに自分が何かに熱中して生きて来たかを語り出す。
何かに熱中する事は、彼にとっては生きる原動力であり、人や物と出会うきっかけであり、自分という人間を知るきっかけでもある。
たとえその熱が(急速に)冷めたとしても、熱中したという事実とその中で経験した数々の出来事が、彼を“ちょっと他にいない”魅力的な人間にしている。
彼は熱中し、冷め、また熱中する。
彼が今熱中しているのはパントマイム。
それは“心の動きを体で表現する”というもの。
そのためにはもちろん心が動かなくてはいけない。
喜怒哀楽をしっかりと感じなくてはいけない。
彼の心は常に動いているような気がする。
もう一つ熱中していることは、子供達に何かを伝えること。
パントマイムを通じて、とても大切な何かを伝えること。
“想像する心、人を思いやる心、自分は自分のままでいいんだと思える心”
それを言葉でではなく、体を動かすこと(マイム)で伝えていく。
体を動かすことで、心も動かそうとする。
彼は常にクネクネと体を動かしています。
心が動くと、体も動く。
体が動くと、心も動く。
彼を見ていると、その事がすんなりと理解できる。
彼は分かり易い人間です。(「僕のヒーローは、ロボコップとシュワちゃんとブルース・リー!」)
彼は臆面も無く自分のことを語れる人間です。(「一番好きな映画はロボコップで、次がロボコップ2!」)
彼は常に“気持ち”が先で、“理屈”は後からついて来る人間です。(ついて来ないこともある)
彼は熱中するあまり度を超え、夢と現実の境目があやふやになる人間です。(「ジュラシックパークは1億回観た!」)
そして彼は、人々を魅了する事の出来るパフォーマーであり(当日披露して貰ったパントマイムは素晴らしかった)、「子供達の未来を守りたいんです!」と真面目に語る、熱い想いの持ち主でもあります。
そんな“金子しんぺい”という人間を見ていると、知らず知らず自分の心が動いていることに気がつきます。(たまに体も)
そしてそれは“ちょっとしたこと”だと僕には思えるのです。
ブルース・リーから始まったその日の会は、“心が晴れる 楽しい時間”でありました。
(皆さんはどうでしたか?)
金子さん、ご来場の皆さん、どうもありがとうございました。店主
金子さんです。雰囲気ありますね。ちょうど夢と現実の境目を飛び越えている最中です。