2020年09月16日

『お里が知れる話し』と、営業時間変更のお知らせ

こんにちは。
お元気ですか。

以前に『油揚げとお詣り』の話しを書きました。
「ウォーキングの途中で豆腐屋へ寄って油揚げ2枚を買い、その足で近所の神社へ行って釣り銭を放り投げ、お祈りをする。それが僕の最近のお気に入りたち(My Favorite Things)」だと。
この習慣は今でも(半年近く)変わらず続いていますが、それが1と月ほど前から、なんと!、豆腐屋へ行くと油揚げを1枚サービスしてくれるようになりました。
「いつもありがとうございます」と僕が頭を下げると、「いいえ。こちらこそ」と白髪の女将(いかにも“昔の商人”気質の漂う看板女将)のハリのある声が返ってきます。
ただでさえ分厚いそこの油揚げは3枚ともなると結構な持ち応えがし、それは握った手の中でいかにも収まり良く、ちょっとした幸福感さえ与えてくれる。
僕は店を出ると口笛を吹きながら通りをスキップし、神社の石段を2段飛びで駆け上がり、その勢いのまま賽銭箱の前まで行っていつもより多くの賽銭を投げ入れ、大きな音で柏手を打つ!…なんてことはしませんが(不謹慎なので)、そんなことをつい想像しつつ、ひとり悦に入って家路を辿ります。
「たかだか油揚げ1枚くらいで、なにもそこまで…」自分でもそう思うのですが、まあ性分だからしかたないですね。
お里が知れます。


営業時間変更のお知らせ
9月21日(月)と22日(火)の両祝日は『11時〜19時』で営業し、
翌23日(水)が『振替休日』となります。

よろしくお願いします。
店主

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「お・さ・と・が・し・れ・る・よ〜」
posted by トムネコゴ at 07:31| 東京 ☁| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年08月25日

『夏が終わる』

前回お知らせした“白いひげさん”お手製の梅シロップ。
去年の夏に限定商品として初めて登場し、その時は思いの外あっさりと完売。
手応えを感じるひまもなく、拍子抜けした感じで早々とメニュー表から消えていきました。

ならば今年はと約4倍の量を仕込んで(ということは4倍もの“シェイク、シェイク”を繰り返して…アオ!)意気揚々と届けてくれた白いひげさんでしたが、それも先日見事に(予想より早く)売り切れてしまいました。
しかも、去年からのリピーターや今年リピートする人が何人か現れ、「思いのほか好評かも」と内心手応えを感じ始めていた矢先に…。
これは来年は更なる“シェイク、シェイク”を期待するしかありませんね。
そうして、またやって来る梅の季節を心待ちにしたいと思います。

まだ飲んでいない、あるいはまた飲みたかったという方、そう言う訳ですのでどうぞ来年をお楽しみに。

さて、夏(梅)が終わると次は秋(無花果)ですね。
白いひげさんからは早くも“無花果のジャム”が届いています。
こちらも去年の秋口に同じく初登場し、また同じくらいあっさりと完売してしまいました。
今年はどれだけ仕込んでくれるのかは分かりませんが、いずれにしろ季節物、この時期だけの特別なジャムです。
厚めのトースト、バターと共にどうぞ。

よろしければ。

店主

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「ジャムを仕込む時のBGMはやっぱりマイケル・ジャクソンのJAMですかね?」店主
「・・・(無視)」ネコ
posted by トムネコゴ at 12:35| 東京 ☀| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年07月10日

『夏のエネルギー源』

久しぶり、約1年ぶりに『手作り梅シロップ』がトムネコゴに届きました。
作ったのは、トムネコゴの焼き菓子担当、お馴染み“白いヒゲさん”です。

梅と氷砂糖を瓶に入れ、約1ヶ月寝かせて出来上がる『梅シロップ』。
まろやかでいてスッキリとした味わい、そこに若干の“キレ”もある。
寝かせているひと月の間、氷砂糖が良く溶けるように瓶を日々シェイク、シェイクしていると語った“白いヒゲさん”。
きっと最近ハマっていると言うM.J(アオッ!)の音楽でも聴きながら、それに合わせて見事なシェイクをしているのでしょう。
あの若干の“キレ”は、きっとそこから来ているに違いない…。

水で割って『梅ジュース』、炭酸で割って『梅ソーダ』。
どちらも夏の期間だけの、冷んやりとした特別な飲み物です。

お寄りの際には、是非どうぞ。

店主

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「ニャオ!」
posted by トムネコゴ at 08:43| 東京 🌁| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年06月25日

時短営業中です。

しばらくの間、
時短営業『11時ー19時』(L.O18時半頃)、
月曜のみ17時まで(L.O16時半頃)、
火曜定休、
となります。

宜しくお願いします。
店主

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posted by トムネコゴ at 09:13| 東京 ☔| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年05月27日

『私のお気に入りたち』と、営業時間変更のお知らせ

皆さん、お元気でしょうか。
先日、村上春樹のラジオ番組『村上RADIO』を聴いていたら、『マイ・フェイバリット・シングス(私のお気に入りたち)』と言う古い曲がかかりました。
悲しい時や気分が落ち込んだ時、自分の“お気に入りたち”をいくつも数え上げ、そうすることで自分の心を励ます、そんな内容の歌です。
村上さんはその曲紹介の時、ご自分の“お気に入りたち”をいくつか上げました。
「レイモンド・チャンドラーの推理小説、冬の鍋焼きうどん、猫の肉球、新しいジョギングシューズ…」
そしてこんなことを話しました。
「今は、自分の“お気に入りたち”をリストアップして、世の中が落ち着くのを待ちましょう。」
さて、皆さんの“お気に入りたち”は何ですか。

“バラの花に落ちる雨粒と仔猫のヒゲ、明るい色の銅のケトルに温かいウールのミトン…それが私のお気に入りたち”(マイ・フェイバリット・シングスより)

僕の最近の“お気に入りたち”は、「油揚げとお詣り」です。
日々のウォーキングの途中に昔ながらの豆腐屋さんがあって、店内を覗くといつも厚揚げやガンモドキ、油揚げなどが整然と並んでいるのが見えます。
それはいかにも見栄えが良く、美味しいそう。(ジジくさい?)
僕はだいたいウォーキングをそこで一旦止め、中へ入って声をかけます。(かける言葉はいつも一緒)
「すいません、油揚げ二枚下さい。」
「はいよ。」
それからその脚で近くの神社へ行き、さっき受け取ったつり銭を放り投げ、軽く手を合わせます。(祈る内容はいつも一緒)
「・・・」
そして油揚げ二枚が入ったビニール袋を持って、少し軽くなった心と足取りで、二駅分の距離を家へとウォーキングします。

これが僕の最近の“お気に入りたち”。
地味で、小市民的な、『マイ・フェイバリット・シングス』です。

余談ですが、その豆腐屋の油揚げはけっこう肉厚なので、それだけ焼いても立派なオカズになります。(…やっぱりジジくさい)


さて、営業時間変更のお知らせ。
6月より、当面『11時から19時まで』となります。
(L.O30分前・月曜のみ17時まで・火曜定休)
どうぞ、宜しくお願いします。

皆さん、頑張りましょう。
店主
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最近の“お気に入りたち”その2。頂き物の花束(?)です。これもまた地味で小市民的ですね。まるでカウリスマキ映画の登場人物たちが時たま手にする花束みたいに。そのカウリスマキ映画もまた、昔から変わらぬ僕の“お気に入りたち”です。
posted by トムネコゴ at 06:05| 東京 ☁| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年05月06日

時短営業延長のこと

お知らせ

先日の非常事態延長の報を踏まえ、トムネコゴも時短営業をしばらく延長することとしました。

今、トムネコゴに出来ることは、落ち着ける時間と場所を提供すること。
ほんとうに、それだけ。

皆さん、予防第一に。
がんばりましょう。
店主

時短営業
連日11時から17時まで(L.O16時半頃)、火曜定休

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癒し猫(僕にとっては)。こんな時は“彼”を見習いたい。
posted by トムネコゴ at 18:09| 東京 ☁| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年04月25日

「宜しくお願いします」

お知らせ

非常事態宣言を受け、トムネコゴは4月8日より連日『11時〜17時(L.O16時半頃)』の短縮時間で営業しています。(5月6日迄を予定)

宜しくお願いします。
店主
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posted by トムネコゴ at 07:56| 東京 ☀| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年04月14日

『4月15日 水曜日のこと』

4月15日(水)は休業するとお知らせしてましたが、変更して『11時ー17時』で開けます。

予防第一に。

もし、ひと息つきたくなったら。
お待ちしてます。
店主

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posted by トムネコゴ at 13:58| 東京 ☀| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年04月10日

「猫にはかなわない」

昨日のブログで、早朝に公園のベンチで文庫本を読んでいる若者のことを書きましたが、なんと今朝もあの若者はいました。
同じベンチで、同じ様に文庫本を読んで、しかも今朝は5時半頃。
あの若者はそれを日課としているのだろうか?
早朝に、公園のベンチで、読書をすることを?
そしていったい何時からそこに居るのだろうか?
謎と言うと大げさですが、大いに気にはなる出来事です。
きっと、O・ヘンリーなら、これだけの材料で良質なショートストーリーを拵えるんでしょうね。
“ミセス・マコーマックは、今日こそは声をかけようと決心していた…”、なんて。

今朝もその本のタイトルは知ることが出来ませんでした。(残念至極)
昨日のことがあるので、あまり近くまでは寄れなかった。(小心翼々)
でも、その方がいい気が、今はしています。(酸っぱい葡萄)
謎は謎のままに、あとはミセス・マコーマックさんに任せましょう。
“ミセス・マコーマックは、首から下げた十字架のペンダントをギュッと握りしめ、今まさに声をかけようとしていた…”

…さて、トムネコゴ。
本日も11時から17時まで開いています。

宜しければ。
お待ちしてます。
店主

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古典と猫、その二。良く見ると、ゲーテとトルストイとシェイクスピアを踏んずけています。文豪も猫にはかなわない?
posted by トムネコゴ at 09:33| 東京 ☁| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年04月09日

「世界は広いんだ」

今朝の6時頃、井の頭公園をウォーキングしてたらベンチで文庫本を読んでいる若者(大学生くらい)を見つけました。
その若者は川沿いにあるベンチに腰掛け、僕に背を向ける形で、なにかを集中して読んでいました。
昨今あまり見かけなくなったベンチで本を読む人。しかも早朝。
僕はなんだか嬉しくなって、“いったい何を読んでいるんだろう?”とその背後から近づき、そーっと若者の手元を覗き込もうとしました。
すると、その(不穏な)気配に気づいた若者は、サッと振り向き、怪訝な顔で僕を見上げました。
その目には明らかな不信の色がうかがえます。
「いや、違うんだ。僕は君に好感を持ったんだ。それで何を読んでいるのか知りたくて…」とはさすがに言えず、僕はそそくさとその場を立ち去りました。
それでも、その後のウォーキングは普段より気分良く、帰ってからの朝食もまた、旨かった。

あくまで個人的に、あの本が古典(ディケンズ、スタインベック、バルザック…)であったらいいな、と思います。(理由はうまく言えません)

あの年代の頃、僕は必死で古典にしがみついていました。
その“山”はどれも巨大で、けっして楽に登れるものではなかったけれど、それでも、と言うかだからこそ、“山頂”からの景色は格別なものでした。
「世界は広いんだ…」ということを、僕はその“登山”を通して知っていった気がします。

トムネコゴは、“世界”の広さを感じるには割と良い場所だと、(手前味噌ながら)自負しています。

さて、本日も『11時から17時まで』の臨時営業。

宜しければ。
お待ちしてます。
店主
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古典と猫。“彼”は読んだのかしら?
posted by トムネコゴ at 10:23| 東京 ☀| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年04月08日

「短縮営業始まります。」

お早うございます。

非常事態宣言を受け、本日から『11時から17時まで(L.O16時半頃)』の短縮営業が始まります。(5月6日頃迄の予定)

今はしっかりと予防して、体力つけて、日々を生活することが大事だと思います。
そんな中、もしひと息つきたくなったら、トムネコゴはいつもの場所で開いています。

今日も良いお天気ですね。
ネコも喜んでいます。
店主

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体力つけるには睡眠が一番。猫はほんと賢いですね。(そう思いませんか?)
posted by トムネコゴ at 09:10| 東京 ☀| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年04月07日

「三度泣いた話し」

先日、恥ずかしながら、仕事中に三度泣きました。
三度とも、常連客の温かい、本当に温かい善意に触れたためです。(その内容はあえて言いますまい)
一度目は、珈琲を出し終わって台所に引き上げ、そこの窓から外を見ている時に、自然と。
二度目は、彼らが帰った後に、急に込み上げて来て。
そして三度目。
仕事中ではないですが、店を閉めての帰り道、それが思い出されて、不意に。

40も過ぎると涙腺が緩んでくるのだろうか?
それもあるかもしれないけれど、もちろん、それだけではありません。
あの涙は、僕にとっては、とても貴重な涙。
感動した時にのみ流れ出る、稀な、尊い涙でした。

僕は思います。
“その様な涙には、きっと浄化作用がある”
そしてこうも思います。
“そこには、きっと、希望が宿るはず”
それも気休めと言えば気休めです。
それでも、やっぱり、僕はそれを信じたいと思う。

“先のことは本当に分からないけれど、トムネコゴとして、やれるだけのことはやりたい”
あの日、帰り道、少し上気した身体で僕はそんなことを考えていました。

『暮らしの手帖』初代編集長の花森安治は、「いい読者を持っていること」をその自慢としていたそうです。
僕は、今なら、その言葉の意味が分かる気がしています。

感謝を込めて。
店主


お知らせです

緊急事態宣言を受け、4月8日(水)からの営業時間を、しばらくは以下の通りとします。
『連日11時から17時まで(L.O16時半)』、『定休日 火曜日』
いつまでとは言えませんが、状況を見て、またお知らせします。
ちなみに今月の休みは『毎週火曜と15日の水曜日』です。

どうぞ、宜しくお願いします。
店主

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posted by トムネコゴ at 22:14| 東京 ☀| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年04月03日

「トムネコゴに出来ること」

お知らせです

昨今の状況を踏まえ、トムネコゴの営業時間を、4月4日の土曜からしばらくは『連日夜7時まで(L.O18時15分頃)』とすることにしました。

今は皆な大変な時ですね。
こんな時、トムネコゴに出来ることは、「ひと息つきにいらした人達に、しっかりとその時間を与えること」だと考えています。
それは普段のトムネコゴと特に変わりはないけれど、今は、特にそう思います。

ひと息つきに。
宜しければ。

お待ちしてます。
店主
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お客さんから頂いた猫柄のマスク(なんと手作り!)。個人的には、効果倍増、と確信しています。それは気休めかもしれませんが、でも、それも大事なことだと、これも個人的に思っています(もちろんしっかりと予防した上で)。
このマスクをすると、自然と、顔がニヤけます。
posted by トムネコゴ at 09:34| 東京 ☀| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年03月27日

『白猫のクリップ』

お知らせ

急ですが、明日28日の土曜は『9時から19時まで』の営業となります。
ちなみに29日の日曜も9時から19時まで、30日の月曜は12時から19時まで、となっています。

すっかり春ですね。
一息つきに、いかがですか。
お待ちしてます。
店主

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春の“一息つき”セット。珈琲と文庫本(山口瞳「男性自身」傑作選 嵐山光三郎 編)。白猫の形をしたやつは物を挟むクリップで、なぜあんな所を挟んでいるのかは僕も家人も(おそらく地球上の誰も)知りません。特にそこを挟む意味は無いし、飲む時にはけっこう邪魔になります。かと言って無理に離そうとすると噛んでくる恐れもある…。困ったものです。
posted by トムネコゴ at 09:06| 東京 ☁| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年03月26日

『良く似た光り』

「やって良かった」
先日の菅間一徳ソロ演奏会終演後、最初に出た僕の言葉がこれでした。
皆が帰った後のガランとした店内、いつもの様に軽いアフタートーク。
菅間さんはどこか神妙な趣きで僕の言葉を聞き、「うん…うん」と何度か頷きました。

この日は、『土と、白の色彩』で静かに始まり、彼にとっての始まりの歌『11月1日の詩』、特に大事にしていると言う『ミシンのリズム』と続き、それから『耕す』、『あの 雲を ごらん』、『ふれてごらん 雨音に』を淡々と、でもしっかりと、時折のハミングを交えながら演奏されました。
曲と曲の合間のMCもほとんどなく、“言葉よりは音楽を”、そんな雰囲気がどこか漂っていた様な気がします。

ラスト二曲となった時、菅間さんは少しだけ語りました。
「どの様に演奏するかということは、(大げさに言えば)どの様に生きるかということです…」
僕は店の台所にしゃがみ込み、そんな彼の言葉を聞いていました。
それは時折通る電車の音や道行く車の騒音、背後にある冷蔵庫の“ブーン”という唸りの合間を縫って(演者から一番遠い)僕の元へと届きます。
その声は、不思議と良く通る、静かだけれど、芯のある声。
考えてみると、それは彼の音楽(演奏)にも当てはまります。
その音楽は、不思議と懐かしい、静かだけれど、芯のある音楽。

この日の最後は新曲(『秋の小さな手』だったかしら?)で閉じられました。
それはいかにも素朴な菅間的旋律を持った小さな作品。
まるで子供の手のひらにでも乗る様な、優しく、温かな作品でした。
僕はその演奏を聴きながら、そこにある種の“光り”を感じていました。
“前向きな気持ち”、“微かな希望”、言葉にならないそんな思いが、僕の胸にフッと受かんでは消えて行きました。
「やって良かった」
そう思ったのはまさにその時です。

カナダのシンガーソングライター ジョニ・ミッチェルに『シャイン』というアルバムがあります。
僕はなぜか最近良くそれを聴いています。
そして聴く度に、そこにある種の“光り”を感じます。
そう、その日に感じたものと、良く似た“光り”を。

菅間さん、ご来場の皆さん、静かな(それでいて芯のある)夜をありがとうございました。
店主

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「美しいチラシ」菅間、「エッヘン」店主(※店主作)
posted by トムネコゴ at 09:26| 東京 ☀| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年03月14日

『猫の調べたもの』

お知らせ

誠に急ですが、本日3月14日(土)は19時閉店となります。
なので、今日と明日は9時から19時までの営業となります。

ご迷惑をお掛けしますが、どうぞ、宜しくお願い致します。
店主

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広辞苑を使用した形跡がありますね。さて、“彼”はいったい何を調べたのでしょうか。(気になる…)
posted by トムネコゴ at 07:51| 東京 ☀| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年03月11日

『よく晴れた日の猫はなんだか不機嫌に見える』

お知らせ

本日3月11日(第2水曜)は18時までとなります。
皆さま、うっかりすることのないよう、お気をつけ下さい。

良いお天気ですね。
“彼”はなんだか不機嫌そうですが。

店主
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posted by トムネコゴ at 08:31| 東京 🌁| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年03月02日

『便宜的な猫』

2つのお知らせ

1つ、
3月8日(日曜)の菅間一徳ソロ演奏会の予約は一杯となりました。
予約された方々、お楽しみに。
当日は18時開場・19時開演となりますので、余裕を持ってお越し下さい。
なお、喫茶営業は17時閉店となります。
皆さま、うっかりすることのないよう、どうぞお気をつけ下さい。
(※「ワケあり席」が1〜2席あります。詳しくはお問い合わせ下さい。)


2つ、
3月5日(木曜)は私用のため、同じく17時閉店となります。
重ねてお気をつけ下さい。


私的な事ですが、その日は我が愛(駄)猫の便宜的誕生日でもあります。
便宜的誕生日とは、捨て猫だった“彼”が我が家に来た時はすでに生後いく日も経っており、それで苦し紛れに適当に検討をつけ、3月5日を便宜的に“彼”の誕生日としたのでした。

その“彼”が亡くなってはや数年。
今となっては3月5日の意味もその大半が失われてしまいました。

でも、それでも、その日が僕にとっての数少ない特別な一日であることに変わりはなく、たとえ「便宜的」に過ぎないとしても僕としてはワインの1本も空けたいところ。
夜更けにひとり、モーツアルトの『アヴェ・ヴェルム・コルプス』を聴きながら。

…話が脱線してしまいました。
戻します。

3月5日と8日は17時閉店。
どうぞ、宜しくお願い致します。
店主

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便宜的な“彼”
posted by トムネコゴ at 08:44| 東京 ☔| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年02月29日

「ひと息つきに」

2月29日 土曜日

お早うございます。
今日明日と、トムネコゴは朝9時から開いています。

本日は久々に『白いひげさん』の焼き菓子が登場します。
それに『パッサテンポ』の“会話がはずむ”マドレーヌと、『キビヤ』のチョコパン。
そして『トムネコゴ』のチーズケーキ。
苦いコーヒーのお供に、いかがですか。

「ひと息つきに」、宜しければ。
お待ちしてます。
店主

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posted by トムネコゴ at 09:10| 東京 ☁| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年02月17日

菅間 一徳 ソロ演奏会『早春』

もう何回目になるだろうか。
おそらく25回はくだらない。
でも、それでも、彼の演奏は何度でも聴きたくなる。

素直に生きること。
率直に語ること。
真摯に音楽に向き合うこと。
彼の演奏会に接していると、僕はそんなことを思います。

もちろん「音楽は趣味」と言うことも出来る。
そしてその「好み」には個人差がある。
でも、それとは別に、「趣味」や「好み」とは違う場所で鳴っている音楽もあります。
まるで僕らの中にある原風景の様に、近くて遠い、新鮮で懐かしい音楽。
彼の演奏を聴いていると、僕はそんなことを考えます。

「今聴くべき」音楽かどうかは分からないけれど、「一度は聴いてみる音楽」だとは思う。
大げさではなく、率直に言って。
店主


菅間一徳 ソロ演奏会『早春』
3月8日(日曜)
18時開場・19時開演
1000円とご注文
トムネコゴにて
要予約 thomnecogo@gmail.comか080ー6502ー0406まで

店主作のチラシ
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「僕にはこんな美しいチラシ、ないと思うのです。」菅間
posted by トムネコゴ at 18:23| 東京 ☁| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年02月12日

お知らせ

少し急ですが、2月16日の日曜は18時まで。
そして翌17日の月曜は臨時休業となります。

ご迷惑お掛けしますが、どうぞ宜しくお願いします。
店主

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“贈られて 愛でる植物 名も知らず”(誰か知っていますか?)
posted by トムネコゴ at 09:04| 東京 ☀| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年02月07日

『猫の恩返し』

最近、トムネコゴのツイッターとフェイスブックのマークを、下のイラストに変えました。
この絵は、去年出した僕のエッセイ集『ネコのねごと』の挿絵用に、大平高之が描いてくれました。
でも、本当は、氏はその出来に満足せず(陶芸家ならその壺を割っているところ)、新たに違うタイプの絵を描き、最終的にそちらの方を本採用としました。
ということで、こちらはやむなくボツ画、云うなれば、「捨て猫」です。
僕はそれを拾い上げ、どうにか生かそうと、挿絵がダメなら裏表紙で使わせて欲しいとお願いし、なんとか「彼」の居場所を作ってやることが出来ました。

今、改めてその裏表紙を眺めて見みると、「彼」はいかにも収まり良くそこに存在している様に見えます。
じっと見つめていると、あの喉を鳴らす声までが聞こえてくるような気がします。
そして、心なしか、右隅にサインされた氏のイニシャル“T.O”の文字を、その体全体で踏んづけようとしている様に見えるのは、さてさて、僕の考え過ぎでしょうか?

『ネコのねごと』は思いのほかよく売れて、もうすぐ第3版を迎えようとしています。
もしかして、猫の恩返し?
まさかねぇ。

“ゴロゴロゴロゴロゴロ……”
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お知らせ

2月11日の火曜は、祝日のため、9時から19時まで臨時営業します。
そしてその翌日、12日水曜は、振替休日となります。

宜しくお願いします。
店主


posted by トムネコゴ at 09:14| 東京 ☀| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年01月06日

千秋楽

おはようございます。
1月6日(月曜日)

今日は、昨年暮れから続いた連続13日興行(営業)の千秋楽です。
ここは一つ、大ネタ(『らくだ』あたり)でも披露して花道を飾りたいところですが、まぁ、例によって、いつものトムネコゴ(『酢豆腐』あたり)でご勘弁を願っておきます。

本日は11時から17時まで。
宜しければ。

なお、7日(火曜)と8日(水曜)は連休となります。
重ねてご勘弁を。

店主

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「“古今亭猫五、本日千秋楽”か…」
posted by トムネコゴ at 09:29| 東京 ☀| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年12月23日

Merry Christmas and Happy New Year

もうすぐクリスマス、そして年末年始がやってきますね。
皆さんはどの様に過ごしますか?

トムネコゴは相変わらず大晦日も元日も開けます。
それは「好きなことを仕事に出来ているんだから、それくらいはやらなきゃ」と言う気持ちから、2008年の開店以来続けてきました。

何かを続けるにはそれなりの理由が必要で、僕の場合は「何を大切にするか」が重要になります。
そしてその「大切にしたいもの」を大事に、しっかりと見据えていきたい。

来年もどうかそんな一年となりますように(合掌)。
今年もありがとうございました(再合掌)。

メリー・クリスマス、そして少し早いですが、良いお年を。

店主

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トムネコゴの年末年始
12月30日(月曜)から1月6日(月曜)まで、連日11時ー17時で開けます。
1月4日(土曜)と5日(日曜)のみ9時から開いています。
宜しければ。



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2019年12月04日

「それなり」のこと

長尾契子さんが発行しているリトルマガジン『1/f(エフブンノイチ)』の最新号が発売されました。
この小冊子に僕は前号(旅にまつわるエッセイ「身軽な旅」)、前前号(ロングインタヴュー「孤独について」)と少しだけ関わっています。
そして、今回もまたエッセイを寄せることができました。

今度の文章では、僕はある人との出逢いと別れについて書いています。
それは恋愛とも色気とも無縁な話しですが、僕にとっては、それなりに意味のある、それなりに大きな出来事でした。
その「それなり」を何とか伝えようと、一生懸命に書きました。
宜しければ、是非。
ただ今トムネコゴでも販売中です(前号も少しだけ)。
店主

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2019年11月27日

パッサテンポの『マドレーヌ』

小麦粉、砂糖、バターと卵をシンプルに混ぜ合わせ、シンプルに焼き上げた素朴なお菓子、『マドレーヌ』。
昔々のフランスで、初めてそれを焼いた女性の名前が、その名の由来だと言われています。

時は18世紀。
フランス東部のロレーヌ地方コメルシーにて、ある公(元ポーランド王)の晩餐会が開かれていました。
その大忙しの厨房(まるで映画「パペットの晩餐会」の様)で、料理人と菓子職人が言い争いをし、後者が帰ってしまう事件が起こります(ほんとかしらん)。
「困ったなぁ、どうしよう。デザートが出せないぞ…」と頭を抱える料理長。
そこにたまたま顔を出したのが、若いひとりのメイド。
「そう言えば、彼女はお菓子作りが得意だったはず……おい、君々、これこれこう言う理由なんだけども、何か作れるかい?」と訪ねた料理長に対して、(おそらく)気立ての良い彼女は、おばあちゃんから教わったレシピで応えました。
その焼き菓子は思いのほか好評。
食卓での会話もはずみ、公もいたくご満悦のご様子。
若き菓子職人を呼び寄せ、曰く「誠に美味じゃ。これは何と申す。なに、名が無いとな?ふむ…。ではそちの名は何と申す。ほう、ほう、マドレーヌか。では、この菓子もマドレーヌとしようぞ!」と言ったとか言わなかったとか…。(※だいたい真実)

そのマドレーヌ、我が家では食後のデザートの定番です。
僕たち(僕と妻と猫)はお酒をほとんど飲まないので、食後のデザートタイムはそれだけでちょっとした楽しみになっています。
汚れた食器を洗ってお湯を沸かし、珈琲かお茶を淹れて何か甘いものと一緒にテーブルに出す(これはだいたい僕の仕事)。
それは時に草餅や吹雪まんで、時に芋けんぴや月餅となる。
でも、今1番多いのが、マドレーヌ。
その素朴な焼き菓子は、珈琲にもお茶にもとても良く合う。
それをほうばりながら、僕たちは他愛のない会話をする。
職場での事や日々の事、猫の世界も楽じゃないよ…などなど。
心なしか会話もはずみ、気分は250年前のあの晩餐会(もちろん僕だけ)。
気がつくとマドレーヌはなくなり、それを潮に、僕たちはそれぞれの場所(居間、台所、僕の膝の上)へと向かいます。
それは時間にするとたかだか20分くらいの事。
でもそれが在ると無いとでは(きっと)大きく違う事。
そんな風な、日々のデザートタイムです。

その会話がはずむ(?)マドレーヌ、我が家ではいつも決まったお店で買っています。
そこは吉祥寺で長年続く、知る人ぞ知るというタイプのこじんまりとしたフランス料理屋。
シェフとパティシエの二人によって営まれているその小さなお店は、毎日朝も早く(3時!)から夜遅くまで、ほぼ一日中仕込みの火が消えることがありません(ご苦労様です)。
料理やお菓子に対する愛情や熱意は、それに携わる者ならみんな大なり小なり持っているのかもしれませんが、それでも、僕は頭が下がる思いがします。
ベーキングパウダーや膨張剤を一切使わないというのはその美味しさのいったんでしかなく、そこには、やはり料理に対する姿勢が色濃く反映されているではないでしょうか。
お二人を見ていると、飲食業の端くれとして、僕はそんなことを感じます。

そのマドレーヌを、この度、トムネコゴでも取り扱うことになりました。
味はプレーン(300円)、紅茶(320円)、シナモンレーズン(320円)の3種。
基本的にテイクアウトのみですが、しばらくはお試しとして、プラス100円で店内でも食べられます。
どうぞこの機会に、シットリと滑らか、甘さも程良くやや大ぶりで食べ応えもあるマドレーヌを、珈琲のお供にでもいかがですか。
ただし、静かなトムネコゴでは会話ははずまないと思いますが…。
店主

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2019年11月11日

「嬉しい夜」

昨晩、菅間一徳ソロ演奏会『秋』がありました。
菅間さんの演奏会はおそらくこれまでに20回を数えていると思いますが、昨晩のそれは特に印象に残るものでした。
その演奏を聴きながら、また、演奏会が終わった後に感じたこの気持ち、清々しく(ダジャレじゃないですよ)、静かで、心がヨソへ持っていかれる感じを、僕は自分の文章力ではとても伝え切ることが出来ません。
身もふたもない事かも知れませんが、やはり現場に居ることが何よりだと(強く)感じました。

昨晩の演奏会で改めて思ったことは、演奏会という現場は「演者とお客と場所が三位一体となって作り上げるもの」だと言うことです。
そのどれか一つが欠けても、おそらくこれほどの気持ちにはならなかっただろうと思います。
頭では分かっていたことですが、それを身をもって実感できた嬉しい夜となりました。

あの現場に居た菅間さん、多くのお客さん、(手前味噌ながら)トムネコゴ、特別な時間をありがとうございました。
店主

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♫本日(11月11日月曜日)の営業は12時から19時までとなります。
♪11月13日の第2水曜は11時から17時まで開けます。
肌寒い日に温かい珈琲でも、いかがですか。
お待ちしてます。
posted by トムネコゴ at 09:54| 東京 ☁| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年11月09日

ちょっとしたお知らせ

本日11月9日(土曜)と明日10日(日曜)は朝9時から開いています。
そして明日は、菅間一徳ソロ演奏会のため、喫茶営業は17時までとなります。
皆さま、うっかりすることのないよう、お気をつけ下さい。
予約された方々、お楽しみに。
18時開場(19時開演)します。

尚、まだ1、2席ほど余裕ありますので、気になる方は、どうぞ。
予約 080ー6502ー0406かthomnecogo@gmail.com

お待ちしてます。
店主
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“三人(匹)は無理かな”
“一応訊いてみるか”
“いや、無理だろう”
“「無理ですよ」”
posted by トムネコゴ at 08:20| 東京 ☁| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年10月28日

まるで遠くにいる古い友人からの便りのように

トムネコゴでは、焼き菓子職人“白いひげさん”の焼き菓子やジャムを気まぐれに出しています。
あくまで氏の気まぐれなので、出る時は続けて出るし、出ない時は「全くの音沙汰無し」ということになります。
ではその間、氏は何をしているのでしょうか?
僕は、森の中で人知れず木の実を集めたり、果物を干したりしている氏の姿を(勝手に)想像しています。
そして、その材料で料理する時のオーブンや鍋から立ち昇る芳しい匂いが、この井の頭へ届くのを今かと楽しみにしています。
まるで、遠くにいる古い友人からの便りのように。
“やあ、久しぶり。元気してた?…”

さて、好評だった無花果のジャムは今季終了して、今は林檎のジャムが届いています。
こちらも美味しいですよ(手前味噌)。
宜しければ。
店主

♫お知らせ
本日(10月28日 月曜)の営業は19時までとなります。
皆さま、うっかりすることのないよう、お気をつけ下さい。

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暮しの手帖(花森時代)風コンポジションで撮ってみました。
posted by トムネコゴ at 08:55| 東京 ☁| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年10月25日

言葉と出合う

“(武満さんの音は)大気の中にひとつひとつ放たれていくような音で、それでいてあたりの鳥のさえずりや茂みをわたる風の音に溶けあってしまうというのでもない。鳥や風の声に対しては異を立てるものでありながら、鳥や風に向かって指を口にあて眉をひそめてみせなくても、そのまま差支えなく聴いていられるようなものだった。”
これは文化人類学者の川田順造が、作曲家の武満徹へ宛てた手紙の中の言葉です。
川田さんはここで、西アフリカのサバンナの地で(持参したカセットテープで)聴いた武満の「ノヴェンバー・ステップス」や「アステリズム」から受けた印象を語っています。

この言葉を読んだ時、僕はいつか井の頭公園で聴いた菅間さんの音楽から受けた印象と似たものを感じました。
僕たち(ベンチに座って繰り返しギターを弾く菅間さんとそれを側で聴いている僕)の目の前には大きな池が広がり、その向こうには巨大な樹々が良く晴れた初夏の空を背景に林立し、時折風の音や鳥の声が聴こえてきました。
そんな状況の中で耳にする菅間さんの音楽は、僕には全く違和感なく聴こえ、あたかもその自然の風景の一部であるかの様にも感じました。

“(音楽の中の)音は自然に対して異を立てるものでありながらそれを妨げず、またそれによって害(そこな)われないものなのです。”
これは先の川田さんの手紙への返信の中に書いた、武満さんの言葉です。

自分が感じたことを言い当てたような言葉に出合うと、僕は深く納得し、凄く得した気分になります。

さて、その菅間一徳のソロ演奏会『秋』。
まだ若干席がありますので、宜しければ、どうぞ。
日付 11月10日(日曜)
時間 18時開場・19時開演
料金 1000円(とご注文)
予約 thomnecogo@gmail.comか080ー6502ー0406


※本日10月25日(金曜日)はお休み(火曜の代休)です。
皆さま、うっかりすることのないよう、お気をつけ下さい
店主
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posted by トムネコゴ at 11:39| 東京 ☔| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする